单项选择题

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  ラジオもテレビも、さまざまな情報をほとんど休みなく発信し、しかも、それを人々が休憩する家庭の中にまで届けてくれます。ニュースについて言えば、いわゆる速報性を特徴としていて、事件が起こると同時にその進行と並行して、刻々に状況を知らせてくれます。また、この二つのメディアには遍在性とでもいうべき性質があって、情報は場所と時間を選ばず、人々のもとに向こうからやってきます。これによって、二十世紀の人間は人類史上初めて、おびただしい事件の経過そのものに、絶え間なく、どこでもいつでも立ち会わされることになりました。

  さらにラジオとテレビの決定的な特質は、それがかつての印刷メディアとは違って、文字による言葉の伝達力に頼らないということです。活字による情報は、人々の教育程度によって受容が決定的に差別され、結果としてメディアの階層分化を作り出していました。文字を知らない人が排除されるのはもちろんのこと、文法や文体について教養の差があれば、それは受け取る情報の量や質にも差ができることを意味していました。これに対して、語り言葉と音響と映像に頼る電波メディアは、情報の無階層化を革命的に進めました。(中略)

  しかし、情報の本質から見てより決定的であったことは、これによって情報の持つ体系的な性格、いわば一望できる構造が著しく突き崩されたということでしょう。書物の場合であれ新聞や雑誌の場合であれ、文字情報は、例えば目次の組み立て、章と節の区分、見出しの大小などによって、その構造を目に見える体系として示すことができます。受け手は情報の全体を空間的に展望し、その中にある論理的な秩序、価値的な階層関係を一目で読み取ることができるのです。

  ( ア )、刻々に伝えられては流れ去る電波情報は、その時々の部分の印象の強さに比べて、内容の全体像を伝える力は弱くなります。言いかえれば、事件が持っている時間的な全体像、さらにいえば歴史的な経過の構造が、文字情報の場合に比べては非常に弱くなります。ラジオを聞きテレビを見ている人間にとっては、半月前の大地震よりも、今日起こった小さな火事のほうが強烈な刺激を与えます。このことはニュース情報に限らず、ドラマやショーのような、本来は構造的な性格の濃いフィクションの場合にも当てはまります。劇場のドラマに比べてテレビやラジオのそれは刻々の趣向がおもしろく、その代わり、全体の首尾結構が弱いのが普通です。一篇の作品の中ではつねに見せ場(精彩场面)を作り、連続ドラマの毎回ごとに山場(高潮)をもうけるのが放送ドラマの特色だと言えるでしょう。

文中の「ラジオとテレビの決定的な特質」とはどういう意味か

A.多くの見せ場山場が出現すること
B.情報構造が一望できるようにすること
C.電波によって情報の質を向上させること
D.文字情報の一望できる構造が崩壊すること